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2014年10月15日
ハッピー・ビレッジ プロジェクト概要 – Happy Village Project (トルコ)
ISIK(イシック)・トルコ
「ハッピー・ビレッジ プロジェクト」
~オーガニックで自然環境を守り、地域をハッピーに、生産者を育てる取り組み ~
ISIK (トルコ)
オーガニックのドライフルーツ・ナッツの生産と流通において、トルコ最大の企業であるISIK(イシック)は、ノヴァとは長年の取引があり、ノヴァ自慢のドライいちじく、アプリコット、サルタナレーズン、ヘーゼルナッツなどを扱わせていただいています。 その高い品質の商品だけでなく、ISIKの企業理念やビジネスの姿勢、様々な取組みから、ノヴァは多くのことを学んできました。
ノヴァからお買い上げいただいているドライいちじくの背景を知っていただければと思い、ISIKの大きな取組みの一つである「ハッピー・ビレッジ・プロジェクト」をご紹介します。 ハッピー・ビレッジ・プロジェクトの代表的な村の一つである、いちじくの生産地 ベキラ村の様子は、同じ生産者情報ページで写真を紹介させていただいていますので、そちらもどうぞご覧下さい。
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ハッピー・ビレッジ・・・と聞くと、なんだか家族的で良いイメージが沸きますね。でも、一つの大きな企業と「家族的・ハッピー」という単語がどう結びつくのか? 実際はどんなプロジェクトなのでしょう。トルコを訪れ、一緒にISIKのオーガニック生産地を巡る中で、その疑問は、目の前の瑞々しい映像と感動に置き換わっていきました。
私たちの疑問の答えをより明確にする手助けをしてくださったのが、ISIKのアジア地区マーケット担当のエドガンさん。ノヴァとの取引の窓口でもあり、数日かけていつもノヴァと一緒にトルコ国内の生産地を回ってくれる方。その親しみやすい笑顔や誠実なビジネスのやりかたから、今や我々の友人でもあります。
■「Happy Village Project (ハッピー・ビレッジ・プロジェクト)」
オーガニックで自然環境を守り、地域を元気に、生産者を育てる取り組み ハッピー・ビレッジ プロジェクト (1)課題を見つけ出す
ISIKの目標の一つ、それは、「環境保全型の有機栽培に関わる人口と農地を拡大して行きながら事業の拡大をしていくことで、地域全体、トルコ全体を幸福にする」ということ。
「何をすればいいか。それを決めるためにはまず課題を明確にしなければなりませんでした。プロジェクトの枠組みを作るために関係者が何度も話し合いを重ねました。」とエドガンさん。
まず、トルコの農地の特徴は、次世代に相続されるに従って分割された結果、一人当たりが所有する農地面積が小さくヨーロッパの半分しかないということ。だから、個人個人に焦点を当てるのではなく、できるだけ多くの人が有機農業に取り組めるようにすることが大切だと考えました。 また、農業者に正しい農法の知識やトレーニングの機会がないことが一番の問題でした。
これらのことを推進していくには資金が必要でしたが、当時は州からの資金援助プログラムも存在しなかったそうです。
(2)包括的に「ハッピー」を目指す方法
問題点を抽出した後は、それに対する解決策を考えて行きました。オーガニックを広めるためには、第一に、生産者に正しい知識と農法を習得してもらうことが大切。そのため、ISIKでは、各地の村々で生産者を集め、研修会を実施しています。特徴的なのは、生産者だけでなく、その家族(子供たちも!)も参加してもらうようにしたということ。家族を含んだ、より多くの人の理解と協力を得ながら全体で進めて行くことがハッピー・ヴィレッジ・プロジェクトのコンセプトなのです。
こうして、ハッピービレッジとして新規に農村をノミネートしていき、現地に何度も足を運んで生産者との関係を作りながら、プロジェクトを成功に導いていきます。
(3)研修、専門家の指導、そして地域支援も
ISIKは生産者の研修プログラムを非常に重視しています。各分野の専門家を講師に、環境負荷の少ない有機農法の基本である、堆肥の作り方や施し方、緑肥(栄養のある草を生やして農地に鋤きこむ方法)、有機栽培に使用できる生物農薬の使い方のほか、周囲の慣行農場からの化学農薬汚染を防止する方策、収穫後のフルーツの乾燥技術、衛生管理など幅広い知識と技術を身につけてもらっています。もちろん、プログラムには果樹園でのデモンストレーションも組み込まれています。
そして特徴的なのが、これらのプログラムは、オーガニックに興味がある生産者に広く開かれ、誰でも参加できる、ということです。 また、年間を通じ、ISIKの農業専門家によるコンサルティングも受けられるので、生産者は安心して有機農業を続けられます。こういった研修プログラムは、品質の向上に大きく貢献しています。
こちらは、ノヴァの生産地訪問に、エドガンさんと一緒にずっと同行してくださった農業専門家のメフメッドさん。 彼は、数あるハッピービレッジの指導の多くを担当して、トルコじゅうを飛び回っています。生産者さんたちの信頼も非常に厚く、ビジネスというより、友人のように付き合っているのがよくわかります。 いちじく栽培や品質のことを私たちに説明してくれる姿は真剣そのものですが、ひとたび生産者さんたちとの交流の場になると、気さくな冗談や笑顔が飛び出します。生産者さんたちからも、「彼は本当によくやってくれて感謝しているよ。」のコメントが。
また、企業としてのISIKは、農業だけでなく、地域の学校やスポーツクラブのイベントにスポンサーとして参加するなど、地域のニーズに目を向けながら社会貢献活動も実施しているのだそうです。
(4)生産者から全量を買い上げる。
もう一つ、ISIKが実行している重要なこと。それは、農産物のコンディション(良し悪し)に関わらず、生産者から全量を買い上げている、ということです。農産物は、当然ながらその年の天候などの条件により、豊作の時もあれば不作の時もあります。ましてや、基本的に化学農薬や化学肥料を使わない有機栽培の場合は、自然の条件の影響をより大きく受けざるを得ず、面積当たりの収穫量も少なくなります。「全量をいつも買い上げてもらえることにより、経済面と精神的安定につながり、お互いの信頼関係にもつながるのです。」とエドガンさん。 いちじくの村、ベキラ村の生産者さんたちも口々におっしゃっていました。「今は全量を買い上げてもらえるから、本当にいいよ。ISIKと仕事をする以前は、買ってもらえなかったり、安く買い叩かれたりして、生活が大変だった」と。
エドガンさんは、さらに語ります。 「農業専門家を中心とするISIKのスタッフと生産者は、単に作る・買うの関係ではないのです。ましてや、作ったものを「買い上げてあげる」という関係でもない。協力し合う協働者であり、理解者なのです。だから、常に対等な関係を保つことを目指しているのです。」
このような継続的な取り組みの結果、有機農業に従事する農業者数と耕作面積は過去の数倍に増加しています。いいちじくだけでなく、サルタナ、アプリコット、ヘーゼルナッツの生産にもハッピー・ビレッジ・プロジェクトが取り入れられています。1991年以降、現在ではトルコ国内88の村の1000人以上の農業者と合計4000ヘクタール(東京ドーム800個分)の土地がハッピービレッジプロジェクトに関わっているそうです。
ISIK本社でお会いした社長のモハメダリさんや、他の若いスタッフの方たちも、実に誠実で気持ちよい方たち。社内にもそのまま、気持ちの良い空気が流れています。
「オーガニックのドライフルーツやナッツを扱う会社として、より環境に優しい製品を効率的に提供できるように努力して行きたいです。生産者、スタッフ、お客様とともに、尊敬の心をもって行動しながら、幸福な社会を追求していきたいと考えています。」とエドガンさん。
この言葉が、偽りのないものであることが、素直に私たちにも伝わってきました。
これからもノヴァの友人として、ISIKとは長くお付き合いが続くことでしょう。