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LOCAL REPORT

現地で活躍する生産者

[イタリア編]
ITALY | REPORT 01
2015.11.20

有機ヘーゼルナッツの生産者を訪ねて

自然の恵み豊かなイタリア・シチリア

イタリア・シチリアといえば、ノヴァの有機オレンジピールや有機レモンピールの原料原産地としてお馴染みですが、今回は、新たな生産者を訪ねる旅です。オレンジやオリーブでも有名なシチリア島は、地中海最大の島であり四国の1.4倍ほどの面積があります。イタリア本土からは目と鼻の先、ブーツの形に例えられるイタリア半島のちょうどつま先あたりに位置します。地中海に面した島北東部のサン・ピエーロ・パッティは有機ヘーゼルナッツの産地。山あいには見渡す限り緑豊かなヘーゼルナッツ畑が広がり、大地と海風の恩恵を受けて良質のナッツが育ちます。

農機を使って効率よく行われるヘーゼルナッツの収穫作業

ヘーゼルナッツは丸みをおびたドングリのような固い実で、木に生っているときはスカートのような葉状の房(苞葉)に包まれています。ヘーゼルナッツの収穫は9月初めごろから始まります。十分に熟したナッツを木々から振り落とし、地面に落ちた実はバキュームで吸い上げて乾燥させます。シチリアでは随所に農業機械が用いられ、効率よく作業が進められていました。ちなみに日本ではチョコレート菓子のイメージが強いヘーゼルナッツですが、ヨーロッパでは、古来から加工して食す習慣があるため需要が高く、加工のノウハウにも優れています。

アグリツーリズムという文化

シチリアの生産者には、アグリツーリズムという活動を行っている人が多くいます。アグリツーリズムとは、農家の敷地内の施設で宿泊客を受け入れ、いわばプチホテルのような宿を営むこと。生産者は自身の畑で採れた新鮮な食材を使った料理などを提供し、宿泊者は緑豊かな土地で自然の恩恵を受けながら休日や余暇を過ごします。農業従事者の社会的役割や所得の向上に貢献し、地域活性と人との交流・理解を深めるアグリツーリズムを実践することは、生産者にとってステータスのひとつなのだそう。

以前はイタリア国内や近隣からの訪問者が多かったそうですが、インターネットやソーシャルネットワーク(SNS)の普及で、今ではヨーロッパや世界じゅうから宿泊客が訪れるそうです。今回は、マルティーノさんのとても素敵な宿を拝見することができました。

シチリアと有機農法

有機認証を受けるずっと前から、先代の頃から無農薬で農業を営んでいたというマルティーノさん。使う必要がなかったから、という言葉にあるように、無意識だった時代から「有機」を意識するようになった現在まで、シチリアの生産者たちは、自然に寄り添い自然の恩恵を受けながら、さまざまな工夫を続けています。

有機ヘーゼルナッツの木々のあいだには果物や栗の木が植えられ、鳥や虫が集まるよう工夫されています。成った実が落ちると肥しにもなるという、自然を生かした優れた仕組みになっています。
収穫前の木に生る有機ヘーゼルナッツは、実が熟し始めスカートのような苞葉(ほうよう)に包まれています。
イタリアではヘーゼルナッツの収穫作業はバキュームで行うのが主流です。吸い上げられたヘーゼルナッツはこの緑の機械で実と皮(苞葉)が分けられます。
広大な敷地に収穫したての実を広げ、水分活性値を6%まで下げていきます。敷地に乏しい場合は機械で行うこともありますが、こちらは天日乾燥を行っています。
サン・ピエーロ・パッティにある生産者の住宅は、普段は一般の宿泊客を受け入れるアグリツーリズモ(アグリツーリズム)としても利用されています。
代々無農薬農業を行ってきたマルティーノさんにとって有機農業は「とても自然な流れ」だったそうです。お客さんからのニーズもあり有機認証を取得し、今では有機飼料を食べて育った羊のふんを使って肥料にするなど、工夫を重ねています。
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